わが魂は仲間とともに (岩井喜代仁 著)

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わが魂は仲間とともに 薬物依存回復施設 茨城ダルクの20年

薬物依存回復施設ダルクとの出合いから、薬物依存症に苦しむ日々から一転して救う側となり、自らダルクを率いることになった岩井喜代仁氏。

迷いながら苦しみながらも、ともに回復を目指す仲間がいるからやってこれた。


 

【 詳細 】
第一部では、岩井氏の薬物依存回復の軌跡でもある茨城ダルクの20年を、
第二部では、茨城ダルクで薬物依存を回復し、自らも仲間を救うべく各地ダルクのリーダーとなった仲間たちのことが語られている。
第三部では、日本の薬物問題の草分け的存在の、日本ダルク代表 近藤恒夫氏との対談で、ダルクの草創期と、これからを語る。
かつて覚せい剤におぼれ、どん底の苦しみから這い上がってきた二人。薬物依存の当事者だからこそ、苦しむ仲間のために出来ることは何か。

 

【 著者メッセージ 】
私が、近藤氏より茨城ダルクを預かって20年の歳月が流れました。こんな私が仲間たちを預かり、今日まで自分の回復と仲間の回復を信じ生活できたことに感謝します。

はじめは、薬物依存症という病気が何なのかも分からず無我夢中で向き合って参りました。薬を使うことが病気になるとは自分自身分からなかったし、教えられてもなかなか理解ができず苦労して参りました。こんな、元ヤクザの私が人前で話のできる人間になるなんて、誰が想像し得ただろうかと考えたこともあります。

この20年間、どれほど多くの人に支えられ助けられてきたことか、言葉に表わせないくらい感謝しなくてはいけないと思っております。特に、教会の信徒及び我が師であるドネガン神父に感謝をします。本来ならお一人お一人に会ってお礼を申し上げなければならないと思いますが、ここに書かせていただき、お礼とさせていただきたいと思います。本書『わが魂は仲間とともに――薬物依存回復施設 茨城ダルクの20年』を書き上げて、この20年間を振り返り、よく生きてこれたと我ながら感心しております。ダルクがあったお陰で自分の人生を変えることもできました。仲間たちに感謝しつつ、この20年のダルクでの生活を思うがままに書かせて頂きました。

この20年でこの世を去った仲間の数は103 名となり、今も一人ひとりの顔が浮かび、悲しい思い出もあります。心から彼らの冥福を祈りたいと思います。
最後に、今後、どんな生き方ができるか分かりませんが、精一杯、ダルクでの生活を歩んで参りたいと思います。(「あとがき」より)

 

 

【 推薦の言葉 】

ヤク中地獄から回復への道を、先頭に立ち引っ張ってきた実践哲学のバイブルである。

その中で貫いた岩井流「義理と人情」は、まさに今の日本が取り戻すべきものだ。


  
―― 武術家・UK実践塾代表 宇城憲治 

 

【 著者プロフィール 】

 

岩井喜代仁  いわい きよひろ

1947年 京都府生まれ。
青年時代に暴力団の世界に身を置き、若手組長として期待されるが、ダルク創設者の近藤恒夫氏との出会いにより、掟で禁止されている覚せい剤に手を染め、暴力団組織から破門される。以後は覚せい剤の密売人として全国を渡り歩くが、薬物依存症により「底つき」する。
1992年に近藤氏と運命的に再会し、茨城県結城市に開設された東京ダルク結城寮(現、茨城ダルク・今日一日ハウス)の寮長となる。これにより、約17年に及んだ覚せい剤依存の人生から離脱し、以後は回復の道を歩む。薬物依存症の仲間たちのケアと家族会の運営を柱に据えて、次第に広域的な活動を展開するようになった。同時に、次世代のリーダーたちの育成にも力を入れてきた。また、ダルク一の学校講演(薬物乱用防止教育)をこなし、テレビや新聞などに数多く取り上げられる。
2010年 茨城県福祉部長賞受賞。
2012年 茨城県知事賞受賞。
現在、茨城ダルク代表、女性シェルター代表。
著書に『大丈夫。人は必ず生まれ変われる』(文藝春秋)ほか。

 

目次より


第一部  茨城ダルクの20年

 第一章  新しい人生を生きる場 ダルク
 第二章 “茨城方式”確立への模索
 第三章  試練と、新たな挑戦
 第四章  施設の外へ 学校講演とメディア
 第五章 “茨城方式”確立へ


第二部 次世代のリーダーたち


第三部 対談「俺たちに明日はない」

 日本ダルク代表 近藤恒夫
 茨城ダルク代表 岩井喜代仁


〈付録〉
 ・年表〈茨城ダルク・今日一日ハウス 20年の歩み〉
 ・回復のための12ステップ
 ・日本全国 マック・ダルク所在一覧


 (A5判 ソフトカバー 240ページ)

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