新版 合気修得への道 ― 佐川幸義先生に就いた二十年 ―
「合気について」改稿、新章を追加、佐川師語録を増補、未公開を含む50枚の写真を追加。「新版」として再登場!
【 詳細 】
筑波大学数学系教授として学問の道をきわめる一方、大東流合気武術佐川幸義師範に就き、合気の道をきわめること20年。著者が語る数学研究と合気修行人生、そして師・佐川幸義師範のこと。
2005年11月の初版発行から13年、やむことのない合気探究にともない、「合気について」を大きく改訂。さらに2018年に急逝した作家 津本陽の遺作『深淵の色は 佐川幸義伝』の舞台裏と未掲載エピソード、「佐川幸義顕彰碑」建立の経緯についてを新章として加えた。著者の稽古日誌からの佐川師の語録も増補。
写真は、佐川師の技の未発表写真や、佐川師の遺品から発見された武田惣角の未公開写真など50枚を追加。佐川師のご家族、弟子との写真など、巻末にはアルバムを収録した。
20年間身近に接してきた著者の知り得る佐川師についてのすべてを盛り込んだ、武術ファンにはたまらない一冊。
(※本書は日本語のみとなります。)
目次より
カラー口絵 佐川幸義先生演武写真 (8ページ)
立捕合気上げ / 前首締両手捕三人投げ / 合気正面打ち / 武田惣角先生 / 佐川幸義先生 / 佐川先生と筆者
第一章 佐川幸義先生演武写真集 (技解説 木村達雄)
多人数捕 / 首締アゴ当て / 三元短筒捕 / 諸手捕返し技 / 片手捕合気投げ/ 両差捕合気投げ / 両差捕合気体返し / 諸手両袖捕合気二人投げ / 諸手捕合気投げ / つかみ手投げ / 前首締両手捕三人重ね倒し / 棒の合気 / 三人重ね倒し / 奥襟捕合気投げ / 両差捕外無双 / 外無双角度変更 / 前首締肘極め / 両袖捕すくい投げ / 両つかみ手回転投げ / 佐川先生の棒術 / 片襟片袖捕合気投げ / 四元すくい投げ / 片手捕外無双 / 外無双 / 腕抑え / 両手捕合気二人投げ / 側面体合気投げ / 前首締両手捕三人投げ / 柄頭崩し / 胸捕片手捕 / 両胸捕 / 短刀捕 / 立捕合気上げ / 体合気二人投げ / 合気拳法 / 棒を構える佐川先生 / 片手捕三人重ね倒し / 道場訓
第二章 数学の研究と合気修得に明け暮れた日々
本物志向を徹底的に仕込まれた幼年時代 / 心の奥深くで何かが揺れた / 限界は十五時間三六分四十秒! /“文”を立てれば“武”が立たず / 稲葉稔氏との真剣稽古 / 植芝盛平翁の合気道 / 佐藤幹夫教授の講義で“数学開眼”/ 寝ても覚めても数学の日々 / 怒鳴られるたびにエネルギーが作動した / 数学は体力だ / 数学は“数覚”がないとダメ / 外国で、合気道が効かなかった! / 佐川先生との出会い / 四股千回で佐川先生とつながっていた / 実戦に動じない境地へ
第三章 大東流合気武術 佐川幸義先生
合気は意識の技術 / 「あんた以外に教えると思うのか」/ 「これを残したい」/ 台所で、マンツーマンの合気指導 / 先生の波長と合わせる / 外からコツンと合気の種が来た / 合気を伝えるまでは…… / 最期にあの技を三回かけられた / 合気をつかむまで/武田先生と佐川先生の世界 / 二人の師に恵まれて / 『透明な力』の出版をめぐって / 合気の先に広がる人間の可能性
第四章 佐川先生の顕彰碑と津本陽氏の遺作 『深淵の色は 佐川幸義伝』
第五章 合気について
第六章 佐川幸義先生の修行時代―― 実弟・佐川廣氏談
父・子之吉のこと / 母・かつの / 兄・佐川幸義 / 若き日の武勇伝 / 帰郷して再び武田惣角先生を師として / 兄の稽古台になる / くっつける合気の会得 / 常に体の鍛練を怠らなかった /「死ぬまで研究」を信条に /「弟子が強くなるから俺も強くなる」/「鎖鎌との対戦」
第七章 佐川幸義先生 語録
第八章 思い出アルバム
佐川先生のご家族 / 在りし日の佐川先生 / 佐川先生と共に
(A5判 ハードカバー カラー口絵8ページ 本文240ページ)
【 著者プロフィール 】
木村達雄 きむらたつお
1947(昭和22)年、東京に生まれる。1979 年、佐川幸義宗範に入門。最高教程である第十元までの直伝講習を受ける。
また佐川宗範を世に出した『透明な力』(講談社)を著す。筑波大学名誉教授。理学博士。佐藤幹夫教授の理論を紹介した『概均質ベクトル空間』(岩波書店)を著す。