季刊 『 道 』 181号(2014 夏号)
テーマ 「 自立ある未来を創る 」
山口も土佐も江戸幕府から見たら僻地だし、鹿児島だって一番はじっこだ。その不便な三つの国が革命を起こし、世の中を引っくり返した。
これは何だったのかな、と。」(菅原文太)
「今回の3・11の原発事故をどう復興させるか。
そのあり方、スピードはまさに今の日本再生のヒントになると同時に、
世界の財産ともなると思うんです。」(宇城憲治)
不自由で貧しいからこそ、闘争心があった。立ち上がる力があった。
いまだ進まぬ、東北、福島の復興。これでいいのか、今の日本。
これだけの国難の前に、今私たちに求められているもの。
それは、世の中を引っくり返す闘争心と、自ら立ち上がる気概、
そして、我が事として行動するエネルギーではないでしょうか。
【 巻頭対談 】
ふるさと日本 これでいいのか ―― 目を覚ませ! ――
映画俳優
菅原文太 VS
武道家・UK実践塾代表
宇城憲治
日本は一度滅びたほうがいいかもしれない。
そしてそこから立ち上がれる人が立ち上がるべき――そう語るのは、
1970年代の大ヒット映画「仁義なき戦い」や「トラック野郎」で一世を風靡した俳優菅原文太氏だ。
5年前より山梨県で農業を始め、食を通して、日本の未来といのちを見つめ続けきた。福島第一原発事故後の魂の抜けたかのような日本で、「仁義ある戦い」を挑み続ける菅原氏が語る、日本の未来、再生とは。 菅原文太氏プロフィールはこちら >>菅原文太氏プロフィール
【 ロングインタビュー 】
誠実をつらぬき勝っていく
タカラ創業者/ライフマネジメントセンター理事長
佐藤安太
誠実、独創、競争に勝つ。誠実に独自のものを築いて、比べてみてどうなのかということです。 そういう競争によって、会社が成長し、人も成長していくのです。 戦後一大ブームを巻き起こしたダッコちゃん、リカちゃん人形、トランスフォーマー、チョロQ、人生ゲーム―― 流行り廃りの速いおもちゃ業界で、長く売れ続け親しまれるおもちゃを創り出してきた佐藤安太氏。
引退後は、ものづくりから人づくりへと転換し、佐藤安太実践経営塾を開始。 さらには自己成長論を学問として深めようと、83歳で大学院入学し博士号を取得するなど、 佐藤氏の人生を高める実践はとどまるところを知らない。
その原動力は、実にシンプルで日本の文化に根差すところにありました。 佐藤安太氏プロフィールはこちら >>佐藤安太氏プロフィール
【 ロングインタビュー 】
心に火がつけば 人はみな、熱く燃える!
元ホテルアソシア名古屋ターミナル総支配人/アソシア志友館 理事長
柴田秋雄
人は、大事にされるからこそ、人を大事にできる。自らも輝くことができる。
仕事へのやりがい、生きていく喜び、人を幸せにする喜び。
赤字続きのホテルがなぜ再生できたのか。
そこにあるのは、経営テクニックでも戦略でもなく、働く一人ひとりの、人間としての再生だった。
旧国鉄の労働組合委員長だった柴田秋雄氏が語る人間再生への思い。
それは、私たちが忘れかけていた、人としてのやさしさ、思いやり、そして何より、人と人との温かなつながりだった。 柴田秋雄氏プロフィールはこちら >>柴田秋雄氏プロフィール
【 被災地の今 】
福島の自立を、自然エネルギーから
会津電力社長 佐藤彌右衛門
「 6万人の〝原発難民〟を生んだ福島に、原発との共存はありえない」
原発に翻弄されている福島だからこそ、再生可能な自然エネルギーを取り入れていかなければならない。
志を同じくする人々が結集、「会津電力株式会社」が発足した。
地震や放射能による直接的被害はほとんどなかったものの、風評被害に苦しんできた会津地方。
その豊かな自然、こと水力発電による電力を都会に奪われているなど、震災後に気づいた事実に、行動を起こす。
エネルギーの自立は地方の自立であるとと、地域によるエネルギー自給を推進する会津電力社長にして酒造店店主 佐藤弥右衛門さんに話を聞いた。
【 連載 】
【新連載】
▶写真家 野村哲也
地球を歩く(第1回) ~知られざる絶景を求めて~南極・チリ編
【連載】
▶ 武道家・UK実践塾 宇城憲治
気づく気づかせる 「人間の本質とは ― 対立と調和に隠された真実―」
▶ 銀河浴写真家 佐々木隆
私たちは銀河のなかに生きている 「東日本大震災被災地」
▶ 作家 山元加津子
ありのままの私たち「雪絵ちゃんが 伝えてくれたこと」
▶ 書家 金澤泰子
あふれる真心と愛 「翔子に共鳴する大きな力」
▶ 茨城ダルク代表 岩井喜代仁
今日一日を生きる 「恐れることなく、モラルの棚卸表を作った」
▶ 伊藤忠商事理事 木暮浩明
うつくし、日本 「海外武道指導で頂いた ご縁と人脈」
▶ ガラス工芸作家 黒木国昭
文化を生き抜く力に 「床の間文化 ― 家庭のなかに聖地を定める」